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▲最新レポート一覧へ >> 建築確認審査 過剰な厳格化控えて 住宅着工数激減に歯止め 冬柴国土交通大臣に改正基準法の円滑施行を要請
  公明党東京都本部山口なつお代表、石井よしのぶ幹事長ら国会議員、都議会議員は10月3日、国交省で、冬柴鉄三国交大臣(公明党)に対して、昨年(2006年)の通常国会で成立した改正建築基準法の円滑な施行を求める申し入れを行いました。

  同法は、建物の安全に対する信頼性を大きく揺るがしたマンションなどの耐震強度偽装事件の再発防止を目的として建築確認を厳格化し、6月20日に施行されました。

  しかし、同法が施行されて以降の住宅着工数は、7月が8.2万戸(対前年度比23.4%減)、8月は6.3万戸(同比43.3%減)と大きく落ち込む事態が発生しており、住宅関連業界への経済的影響が懸念されています。

  姉歯事件のような不祥事は断じて起こしてはならないことは当然であるが、このような事態が発生した要因として、建築確認審査を実施する特定行政庁(建築主事のいる自治体)や指定確認検査機関による審査が必要以上に厳格化されたために、罰則を過剰に恐れて審査の手控えといった混乱が起きたからではないかと指摘。また、「改正建築基準法は重大で悪質な耐震強度偽装を防ぐことが目的であって、大多数の善意の建築主に対して過大な審査負担を課すことは意図していない」と述べ、建築業界や確認検査機関などに対する同法の目的と趣旨を早急に周知徹底するよう求めました。

  このほか、申し入れでは、
(1)設計・施工関係者からの相談にきめ細かく対応するための相談窓口設置。
(2)特定行政庁などでの事前相談は期間限定ではなく恒久的に実施する。
(3)同法の内容に習熟したアドバイザーを関係団体からの要請に基づき全国で開催される研修会に派遣する――ことなどを求めました。

  これに対し、冬柴国交大臣は「10月上旬を目途に、設計・施工側の関係者からの相談にきめ細かく対応するために、各都道府県に相談窓口を設置する予定。いろいろなところから要望が来ている。早急に改善したい」と答えました。

改正建築基準法の円滑施行に関する申し入れと国交省の回答は以下の通りです。
一、特定行政庁及び指定確認検査機関に対し.「手続きの円滑化」の徹底と対応の統一が図られるよう、都道府県等と連携し確認審査側の関係団体に対する説明会をきめ細かく実施すること。

(国土交通省の回答)

・建築主側、設計・施工側、確認審査側の各関係団体に対し、9月19日に本省説明、9月18日〜28日に地方整備局等によるブロック説明会を開催した。

・今後、各都道府県において、各都道府県下の関係団体に対する説明会を実施し、更なる周知を徹底(10月上旬を目途)
一、設計・施工の関係者からの相談にきめ細かく対応するため、各都道府県に相談窓口を設置すること。

(国土交通省の回答)

・10月上旬を目途に、設計・施工側の関係者からの相談にきめ細かく対応するため、各都道府県に相談窓口を設置する予定。

一、審査の円滑な手続きが継続的に維持できるよう、特定行政庁等での事前相談は、期間限定ではなく恒久的な実施体制とすること。

(国土交通省の回答)

・現在、特定行政庁や指定確認検査機関に対し、改正建築基準法の施行後、当分の間は、法令の解釈、申請図書の記載方法等に係る事前相談について、きめ細かく対応するよう要請しているところ。
・こうした対応の継続期間については、今後の確認申請手続の状況を踏まえながら、適切に判断するよう要請して参りたい。

一、建築確認審査に関する不当あるいは納得がいかない対応を受けた申請者が国に苦情を直接訴えられるシステムを構築すること。

(国土交通省の回答)

・改正建築基準法の施行に関する一連の情報提供をワンストップサービスで行っている建築行政情報センターのホームページ(ホームページのアドレス http://www.Icba.or.jp/ )において、確認審査等に関する苦情を匿名の場合でも受け付ける(10月2日〜)。対象の審査機関に対しては、国土交通省や都道府県を通じて苦情内容を通知するとともに、必要に応じて助言等を行う。

一、申請図書の不整合の修正と差し番え、認定書の写しの添付、申請料の二重徴収、構造計算適合性判定の対象となる建築物の範囲、工事中の計画変更の取扱い、既存不適格建築物の増改築の取扱い等について、制度や運用の改善を検討すること。

(国土交通省の回答)

【申請図書の不整合の修正と差し替え、認定書の写しの添付について】
・申請図書の補正及び追加説明書の提出が認められる具体例及び具体的手続、大臣認定書の写しの添付の取扱い等について9月25日付けで通知しており、これまでの説明会に加え、都道府県毎の説明会や、「改正建築基準法アドバイザー」が派遣される各地の研修会等において、その周知徹底を図ることとする。

【申請料の二重徴収について】

・構造計算適合性判定の手続の前に、建築基準法第6条第13項等の規定により「申請書の記載によっては建築基準関係規定に適合するかどうかを決定することができない旨の通知書」が交付された場合について、構造計算適合性判定に係る手数料を返還する取扱いをしているところもあるが、特定行政庁においては、条例に手続きが定められておらず、ご指摘のように、構造計算適合性判定に係る手数料を返還していないケースも多いと聞いている。手数料の取扱いについては、特定行政庁指定確認検査機関の判断に委ねられているものの、合理的な取扱いについて日本建築行政会議(注)においても検討するよう要請して参りたい。

(注)日本建築行政会議:特定行政庁、指定確罷検査機関及び指定構造計算適合性判定機関を構成員とする団体で、その事務局は(財)建築行政情報センター


【構造計算適合性判定の対象となる建築物の範囲について】

・構造計算書偽装問題を踏まえて導入された制度の趣旨にかんがみ、構造計算適合性判定の対象となる建築物(大地震に対する安全性を確保するため、一定以上の強度、剛性及び靭性を確保する構造計算をどを行う建築物)を決めているところ。


【工事中の計画変更の取扱いについて】
工事中に計画変更が生じた場合に関して、

@計画変更の手続きを要さない「軽微な変更」が建築基準法施行規則に規定されているが、軽微な変更の範囲の明確化・拡大について、引き続き、検討して参りたい。

A当初の建築確認において、変更内容を想定し、あらかじめ検討がなされている申請図書について建築主事等が法適合性を確認している場合、その範囲内の変更であれば計画変更を要しないとしているが、当該手法の普及啓発を行って参りたい。

B計画変更の手続きが必要となるものについても、比較的簡易な計画変更については、確認審査の手続きを迅速に行うことに努めるよう9月25日付けで通知しており、これまでの説明会に加え、都道府県毎の説明会や、「改正建築基準法アドバイザー」が派遣される各地の研修会等において、その周知徹底を図ることとする。


【既存不適格建築物の増改築の取扱いについて】

・平成16年の建築基準法改正において、既存不適格建築物に関する規制の合理化を行い、一定の要件を満たす場合の増改築について構造耐力規定の遡及適用を行わないよう規制緩和したところであるが、今後、質疑・応答集等により、確認審査上の取扱いの周知徹底を図ることとする。

一、改正建築基準法の内容や運用等に習熟したアドバイザーを、関係団体からの要請に基づき、各地で開催される研修会等へ派遣すること。

(国土交通省の回答)

・「改正建築基準法アドバイザー」として、全国アドバイザー50名程度、都道府県アドバイザー100名程度を確保・登録し、関係団体等からの要請に基づき、各地で開催される研修会等へ派遣する(10月中旬〜)。

一、構造計算の適合性判定機関の工学的判断等を支援するため、「判定支援ネットワーク」を整備すること。

(国土交通省の回答)

・国土交通省国土技術政策総合研究所及び独立行政法人建築研究所の担当者等を活用し、指定構造計算適合性判定機関からの質疑に電子メールにより回答する仕組みを整備する(10月上旬〜)。

一、新たな大臣認定プログラムが速やかに供給されるよう取り組むこと。

(国土交通省の回答)

・新たな大臣認定プログラムについては、現在、10数社のメーカーが指定性能評価機関の準備審査を受けており、そのうち2社は正式な審査を受けていると聞いている。審査機関に的確かつ迅速な審査をお願いするとともに、速やかに大臣認定の手続きを進めて参りたい。

 
 
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