知事は、施政方針において21世紀型の都市モデルを創造すると述べ、より具体的には低炭素型都市の構築を掲げました。
一貫して環境問題を重視する知事の政治理念の表明として、共感性を持って受けとめました。また一方で、施政方針では、3カ年で認知症高齢者グループホーム、6200人分を確保、あるいは障害者雇用の1万人創出、そして、待機児の多いゼロ歳児から2歳児を中心とした15000人分の保育サービスの提供などの具体策も提示しました。
こうした理念と具体性を併せ持った知事の施政方針をわれわれは評価させていただきたいと思います。
ドイツ哲学の命題にザインとゾルレン、存在と当為という言葉があります。土俗性と普遍性と言い換えてもいいでしょう。普遍性にのみ偏れば、そのあり方は脆弱となり、逆に土俗性に偏れば、当然のことながら普遍性に欠け、誤りを起こしやすくなります。
都政においても、この普遍性と土俗性、存在と当為のバランスが重要であります。新銀行東京問題など、課題は山積しておりますが、当面の課題の克服と都政の中長期の展望を開くため、さらに一段と力強い都政への取り組みを強く知事に要請したいと思います。いささか抽象的な問いかけではありますが、まず、知事の本年にかける思いをお伺いしたいと思います。
【新銀行問題について】
この問題に対処するに当たっては、まず原理・原則を明確にすることが何よりも重要であります。そして、それは都民の負担を結果的に最小限に抑えることであり、間違っても一時しのぎや先延ばし、あるいは責任転嫁などに終始しては断じてならないのであります。
都議会公明党は、新銀行東京への追加出資の提案がなされた当日、直ちに「調査特別チーム」を編成し、ここに至るまでの経緯とそれに伴う経営責任、そして提示された再建計画の妥当性、あるいは実現性、そしてそれに密接に関連するものとして、追加出資の適否について、調査を開始し、本会議、予算特別委員会の論議に臨む方針を明らかにしました。
この新銀行東京は、設立当初の計画によると平成20年3月期の決算で黒字化する予定でありましたが、昨年6月にはそれを平成22年3月の決算まで引き延ばしました。そしてその直後、昨年9月の中間決算期では累積損失が936億円に上り、資本金のおよそ8割が毀損するという事態を招いてしまったのであります。
知事は、施政方針表明で予想をはるかに超える多額の不良債権が発生した理由として、金融環境の急激な変化と、リスク認識の甘い旧経営陣の事業運営にあったと述べています。仮りに追加出資を行うとすると、多額の都民の血税を再度投入することになります。
したがって、このような事態を招いた原因について、さらに詳細、かつ具体的な分析を行い、都民に公表すべきであります。知事の見解を伺います。
また知事は、新銀行東京の累積赤字について、これも旧経営陣の責任であると断言されていますが、旧経営陣の責任が大であるにしても、新銀行の設立を提唱し、経営者の人事をトップダウンで決定した知事の責任も問われなくてはなりません。併せて知事の見解を伺います。
同様に、再建のために投入された現経営陣も、まずは当事者として、新銀行東京をここまで追い込んだ責任は、一体どこにあるのか、説明責任を果たすべきであります。また、発足当初の経営が乱脈であったというのならその詳細を調べ上げ、都民に提示すべきであります。都の見解を伺います。
われわれ都議会は、新銀行東京の設立の際、1千億円の出資については、4項目の付帯決議を付し、自民、民主、公明、生活者ネットなどの賛成多数で可決いたしました。その後、都議会公明党は、昨年の予算特別委員会において、平成18年9月の累積損失が456億円に上ったことを受け、4項目の付帯決議に含まれていた経営の健全性につて言及し、今後はスコアリングモデルで融資するのではなく、保証協会などのノウハウを活用し、目利き機能を強化した融資を行うべきであると主張いたしました。また、監視機能を強化するためには、都は単なる株主としての責任を果たすだけでなく、支配株主として都の幹部職員を派遣し、内部からチェックすべきであると訴えました。
こうした提案に対して都は、具体的な対応策を講じるべきでありましたが、この1年間、新銀行東京に対して責任を持って指導・監督を行ってきたのかどうか、答弁を求めたいと思います。
一般に、経営状況を悪化させた場合、民事再生手続や破産手続、さらには清算による譲渡などいくつかの選択肢があります。現にわが党内にも破綻処理すべきであるという強い意見が存在します。また、ある金融財政担当大臣経験者も「やめるなら今やめたほうがいい」とまで発言をしております。
複数の選択肢の中で、最も批判が集中しやすい追加出資による再建策を提示した理由は何か、これも明らかにすべきであります。見解を伺います。
繰り返しになりますが、新銀行東京は昨年6月に再建計画を発表し、われわれ議会に対して、平成21年度には黒字基調に転換すると説明し続けておりました。ところが、そのわずか8ヶ月後、追加出資による再建計画の提案という事態になりました。まさに朝令暮改、これでは再建計画を信頼しろと言われても簡単に受け入れるわけにはいきません。改めて確認します。昨年6月の再建計画が行き詰まった原因は何か。また、以前の再建計画と今回の再建計画では内容が全く異なっていなくてはなりません。両者の根本的な違いは何か、明らかにして頂きたいと思います。
いずれにせよ、現状のままでは追加出資を安易に認めるわけにはまいりません。認めるための最低限の条件は今回の再建計画の信頼性であり、再建までの手順とスキーム、そして中長期の展望を都民が納得できる形で提示することであります。見解を伺います。
【都財政について】
知事が就任した平成11年、都財政は瀕死の状態でありました。そうした状況の中、知事は、日本の首都である東京都が財政再建団体へ転落することは断じて避けなくてはならないと、議会と二人三脚で、内部努力や施策の見直しなど厳しい財政再建を進めてまいりました。
公明党もそれを全面的にバックアップし、行財政改革に精力的に取り組んだ結果、平成15年度末に1兆円に上っていた隠れ借金に関しては、平成19年度中にほぼ解消いたしました。また、平成10年度以降毎年赤字であった実質収支についても、平成17年度決算で529億円の黒字、平成18年度決算で1370億円の黒字に転換をいたしました。
今後とも、都民の目線に立った施策を充実させるとともに、都財政の健全な運営を心がけていくべきであります。
今回編成された20年度予算の特長の1つは、PDCAサイクルによる事務事業評価を予算に反映させた点であります。この事務事業評価においては、わが党が提案をしてきた複式簿記、発生主義会計による新たな公会計制度が活用されており、評価をいたします。
さらに、20年度予算では、「10年後の東京」実行プログラムの対象事業は全て予算化され、わが党が主張した子育て支援や環境対策、中小企業への支援などが的確に予算に反映されています。特に、福祉と保健の分野は8199億円、一般歳出に占める割合も18.6%とこれまでで最高となっています。
この4月から始まる後期高齢者医療制度についても、広域連合の負担を軽くするために、市町村の法定検診などに約17億円の助成措置を行うことにしています。一方、19年度補正予算では、今後の法人事業税の減収に備え新たに基金を創設するなど、都民生活を守り、財政の長期にわたる健全性を確保するという観点からも十分に評価できる予算になっております。
しかしながら、都政を取り巻く経済・財政状況は、国による法人二税の吸い上げや、原油高、またサブプライムローン問題に端を発した世界的な株安、あるいは建築基準法改正による住宅着工件数の減少など、決して楽観できるものではありません。今後とも、知事を先頭に荒波を乗り切る覚悟と決意で財政運営に当たっていくべきでありますが、知事の所見を伺います。
都はこれまでの間、一般歳出をほぼ横ばいに抑え、安定かつ堅実な財政運営を続けてまいりました。都債残高を普通会計ベースで19年度までに1兆円近く減らし、大規模施設等の改築・改修に関する実施方針を新たに策定するなど、基金も大きく増やしております。一部には基金は既に十分で、溜め込み過ぎだと批判する政党もあります。地方交付税の不交付団体であり、加えて景気動向に左右されやすい税収構造である都財政は極めて不安定であり、基金の活用は死活的に重要であります。そうした事実を理解できず、安易な批判を繰り返す勢力は財政に無知であるだけでなく、あまりにも無責任であると言わざるを得ません。過去、数千億円に上る税収の異常な増減によって、都の事業が致命的な影響を受けたという事実を忘れてはなりません。改めて財政運営における基金の活用の重要性について見解を伺います。
【道路財源について】
昨年末、新宿から板橋の高松まで中央環状線の一部が開通いたしました。私は毎日、首都高四号線を利用しますが、昨年末までは連日、永福町から霞が関まで渋滞表示が真っ赤でありました。それが年が明けて今日まで、一、二度事故や交通規制でオレンジの表示が出たものの、本格的な渋滞には、まだ一度も遭遇しておりません。これほど劇的に道路整備の効果が表われた例を少なくとも私は知りません。東京の宿命と思われていた渋滞問題も、解決が可能であることを示す実例であります。また、私の地元・世田谷の例ですが小田急線の連続立体化が実現する以前、成城学園駅西側の踏切は、朝のラッシュ時、一時間のうち57分も閉まったままでした。今から思えば異常極まりない状況が日々続いていたわけであります。
現在、都内には約1160か所の踏切があり、ピーク時で1時間当たり40分以上閉じられている、「開かずの踏み切り」は、約280か所存在します。これを何時までも放置すべきではありません。
道路特定財源の存続について、私たちは全区市町村からも強い要請を受けており、また、石原知事並びに全国知事会も、その存続の必要性を強調しております。
そこでまず、歳入関連法案が可決されなかった場合の東京の道路整備への影響について、具体的に明らかにすべきであります。見解を伺います。
併せて道路特定財源の確保に向けた、知事の決意を伺います。
【道路の環境対策について】
道路整備に関連して、道路の環境対策について質問いたします。
「10年後の東京・実行プログラム」では、改めて「緑化」に焦点を当てました。大賛成であります。特に、道路緑化については、かつて環七、環八沿道で効果をあげたことがあり、再び都市緑化の重要なポイントとして力を注ぐべきであります。都内には、未だ不十分であるとはいえ、大規模な公園が存在します。そうした緑地・公園を街路樹の緑が結び、目にも鮮やかな緑のネットワークを都内に形成し、東京の景観を一変させることができたなら、環境先進都市・東京の面目は大いに高まります。
従来のただ植えればよいという道路緑化でなく、道路とその周辺の空間は貴重で広大な緑化の対象空間であると認識を転換し、百年後の子孫に誇ることのできる街路樹等の整備を行うべきであります。都の見解を伺います。
また、道路は、ビルなどと同様、太陽熱などを吸収し、ヒートアイランドの原因ともなります。したがって、道路緑化と併行して保水性舗装や遮熱性舗装などに転換し、いわば「エコ道路」とも言うべき路線を拡大すべきです。とりわけ、都心部においては早期の普及を図るべきでありますが、所見を伺います。
【オリンピック招致について】
2016年オリンピック・パラリンピック東京招致に向けたオリンピック・ムーブメントの推進について伺います。
私は、オリンピック招致議連の一員として、2月15日、そして18、19日と、京都府、滋賀県、山口県、広島県、福岡県を回ってきました。もちろん、招致活動への協力依頼のためであります。印象的だったのは広島でも、福岡でも、北京オリンピックの事前キャンプ地として、世界各国のチームを招くことに極めて意欲的であったことです。
そこで都内に目を転じれば、各区市町村には数多くのすぐれたスポーツ施設が存在します。交通、環境、治安等、どれをとっても一級のキャンプ地となります。
北京オリンピックをはじめ、今後アジアで開かれる国際大会の事前キャンプを都内に誘致できれば、オリンピック・ムーブメントが大きく盛り上がることが期待できます。都の取り組みを求めたいと思います。
また、申請ファイル提出後の課題はIOCによる世論調査であります。都が行った世論調査以上の数値を出すことが、招致実現のためには不可欠の要件であります。われわれ議会は全国を回りましたが、同時に都内各区市町村における機運の盛り上げが、より以上に重要です。そのためにも新年度予算に計上された「区市町村オリンピック・ムーブメント推進事業」を多角的で効果的に展開しなくてはなりません。都の所見を伺います。
【地球温暖化問題について】
特に、アジアの環境問題に対しては、東京の役割・貢献が極めて重要であります。今月8日、東京都と国際協力銀行との間に「気候変動対策に関する相互協力についての覚書」が交わされました。これは、昨年の第1回定例会において、わが党が代表質問でアジアの環境問題を取り上げ、それに対して知事が「都と国際協力銀行との連携について検討していく」と答弁した結果、まとめられたものであります。
今後は、国際協力銀行の持つ融資能力と国際支援のノウハウを、都内の中小企業の優れた環境技術や東京都の環境政策と連動させることが可能になり、アジアの環境問題への貢献に大きく寄与することができます。
知事は、覚書の締結に当たって、「都の技術を無償で提供し、同時に資金力のない途上国への援助を国際協力銀行に依頼する」と述べております。対象国は、アジア全域に広がりますが、当面、環境問題が深刻でその影響が直接日本に及ぶ中国と、経済成長が著しいインドへのアプローチが重要です。この2か国をはじめ、アジアにおける省エネ、再生可能エネルギーの普及などに国際協力銀行との連携を積極的に活用すべきであります。都の見解を伺います。
また、国際協力銀行との協力は、融資のみに止まりません。27か所もある駐在員事務所や同行の日常的な海外での活動の中で、東京の環境政策の先進性をアピールすることも効果的です。こうした方面での連携も強化すべきですが、所見を伺います。
次に、再生可能エネルギーの拡大について伺います。知事は、人類の存亡をかけた取り組みとして温暖化ガスの排出量を2020年までに2000年対比25%削減するという意欲的な目標を掲げました。
東京都は、これまで水再生センターにおけるメタンガス利用や、太陽エネルギー利用拡大会議を開催して太陽光発電や太陽熱利用を拡大するなど、意欲的な取り組みを進めています。しかし、再生可能エネルギーの利用も緒についたばかりであり、低炭素都市を目指すには、まだまだ不十分であります。そこで、次に重要なのは、未利用エネルギーの発掘とその活用であります。例えば、地中熱や建築廃材から抽出するエタノール燃料も活用可能であると言われます。また、ある総合雑誌の見出しには「東京には天ぷら油という油田がある」とありました。これらの未利用エネルギーを集約して活用することによって、環境への効果が期待できます。未利用エネルギーの活用について都の所見を伺います。
次に、中小企業、家庭における温暖化対策について伺います。
CO2の削減に当たっては、大企業・中小企業、家庭のそれぞれが、その立場と責任に応じて積極的に削減対策に取り組むことが求められています。
都は現在、都内においてCO2を大量に排出している大規模事業所に対して、総量削減義務を課す制度の検討を行うなど、新たな仕組みづくりを進めております。
しかしCO2は、日常の生活のあらゆる側面から排出されており、東京に住み、働き、活動する全ての主体が認識を深め、日々の行動の中で省エネを実践することが重要です。
わが党は、こうした認識に立ち、昨年12月の第4回定例会において、温暖化防止の啓発・広報活動、情報提供などを担う「地球温暖化防止活動推進センター」の早期の設置を提案し、その結果、本年4月には開設されることになりました。
同センターにおいては、ただ単に啓発活動を行うだけではなく、インターネット環境家計簿の提供など工夫を凝らした取り組みを行うべきと考えますが、センターの今後の事業展開について所見を伺います。
また、都はこれまで、家庭からのCO2削減に向け、白熱球一掃作戦を展開してきましたが、今後、さらに節電・省エネの取り組みを日常生活の中に浸透させていく必要があります。
そのためには、活動推進センターに加え、CO2削減に意欲的に取り組んでいる区市町村やNPO、消費者団体などと幅広く連携すべきであります。具体的には、省エネ診断機器などを貸出し、都民やNPO、自治体独自に省エネの実証実験を行い、省エネ効果、また省エネによる家計などへの経済効果を実証し、地域における節電・省エネ運動を盛り上げていくことも効果的であります。見解を伺います。
【震災対策について】
先日、都は「地震に関する地域危険度測定調査」を発表しました。これによると地盤や建物の構造から測定した「建物倒壊危険度」は、墨田区や台東区、足立区などが高く、建物耐火性から判定した火災危険度では、足立区や荒川区、品川区西部や中野区の一部が高いとの結果が公表されました。
そこで質問の第一は、新たに危険地域を公表したのなら、すかさずその地域への対策を講じるべきであり、集中的に耐震助成を実施すべきであると考えますが、所見を伺います。
第二に、制度を作ってもなかなか耐震改修が進まないと指摘され、すでに数年が経ちます。助成額の増額や対象地域の拡大が必要と言われていますが、まずは住宅所有者の意向を改めて確認する意味で、耐震化に対する意向調査を実施すべきであります。
そして、その結果をもとにこれまでの助成制度の見直しを行うべきでありますが、所見を伺います。
過日、わが党は、阪神淡路大震災の復興状況を確認するため、神戸を訪れました。
現地で印象的だったのは、阪神淡路大震災の記憶を風化させないため、映像で当時の状況を疑似体験できる施設があったことです。耐震化が進まない理由の一つが、切迫感がなく、所詮、人ごととしか思えない意識の問題があります。この映像での疑似体験を活用して、一層の防災意識の向上を図るべきでありますが、所見を伺います。
また、一方で耐震改修への動機づけとして税制面の誘導策も不可欠であります。
国税では所得税において、また地方税では固定資産税において、耐震改修に伴う税の軽減措置が創設されました。都においても耐震化の一層の促進に向け、税制を活用した都独自の取り組みを行うべきであります。都の所見を伺います。
【テロ対策について】
本年七月にG8・洞爺湖サミットが開催されますが、これに先駆けて今月既に、東京でG7・財務相・中央銀行総裁会議が開催されました。今後も、4月に開発大臣会合、6月には内務・司法大臣会合が東京で開催される他、千葉や横浜で開催される国際会議を含めると、首都圏では7月のサミット開催まで毎月、何らかの国際会議が開催されることになります。
首都東京は、わが国の政治・経済の中枢であり、テロの標的となることも懸念されています。3年前、英国北部のグレンイーグルズでのサミット開催中、首都ロンドンで地下鉄やバスを標的とした同時テロが発生し、多くの犠牲者を出した惨劇は記憶に新しいところであります。
奇しくもこれは、2012年ロンドンオリンピックの開催が決定した翌日のことでありました。
7月開催の洞爺湖サミットまでの間、万一、東京でテロが発生したら、世界都市・東京の国際的な評価は著しく低下し、2016年オリンピック招致は、決定的なダメージを受けます。そして何より多数の犠牲者を出すような事態は断じて防がなければいけません。
そしてそのためには、国内・国外の情報を広く集め、全ての対策で後手に回らないよう態勢の整備を図ることが重要であります。犠牲者を断じて出さない。また、安心・安全都市・東京の声望を守り抜くため、まず、知事の決意と所見を伺いたいと思います。
また、テロとの戦いの先頭に知事とともに立つのは、まさに警視総監であります。総監に対しても警視庁のテロ対策について所見を伺います。
ところで先日、知事は知事公館の売却方針を明らかにしました。確かに現在の建物は、立地条件からも他の用途に転用することが困難であり、処分して財源化することも一つの判断であります。
ただ、テロや大規模災害の際、知事公館は知事自身の安全と情報連絡手段の確保を図り、都として機能的な対応をするため、危機管理上、欠かせない施設と言えます。
その意味で、知事公館のあり方については、今後とも検討を続けるよう要望しておきます。
【感染症対策について】
大型航空機による高速・大量輸送時代の到来とともに、感染症には国境がなくなりました。国境を越えて移動する手段が多様化し、その数が飛躍的に増大するとともに、水際での防御は不可能になりつつあります。そうした状況から現在は、特に、新型インフルエンザのパンデミック、いわゆる感染爆発が世界中で懸念されています。
日本において感染爆発が発生という事態が発生したら、政府の予測によると、死者数が全国で64万人にも達すると言われています。
都においては、これまで行動計画を策定し、都民の30%、378万5千人が感染し、死者数が1万4100人に上る事態を想定して、抗インフルエンザウイルス薬、いわゆるタミフルを102万8千人分、リレンザを2万人分備蓄し、さらに、「区市町村発熱センター」設置計画の推進等に積極的に取り組むなど、国に先駆けた実績を積んでいます。しかし、多くの人々が集中する首都東京では、ウイルスの種類によっては、さらに患者数、死者数が増大することも十分に予想されます。
こうした事態に対処するためには、まず大都市東京の特性を踏まえた、東京独自の感染症危機管理体制の強化や、感染症専門家の育成を図ることが重要であります。都の見解を伺います。
感染症対策については、言うまでもなく未然防止が原則でありますが、不幸にして感染爆発が発生した場合に備え、万全の体制を整えておく必要があります。
都は昨年3月、新型インフルエンザのパンデミック対策として、発生地域の拡大を抑制するための外出自粛、公共交通機関の運行抑制、自衛隊の出動要請、ワクチン接種体制の確保などからなる危機管理マニュアルを作成しました。そして次に重要となるのが十分な医療体制の確保であります。
都は、新型インフルエンザ感染の発生を前提とした医療体制の確立に全力で取り組むべきであります。見解を伺います。
また、パニックを起こさないためには、平時から東京の医療体制や危機管理体制、また対応策などを都民に周知しておくことが必要であります。
都は、感染症対策での啓発活動を進め、パニックを回避する観点から、都民に最も身近な自治体であり、広報・啓発活動を行う区市町村に対して積極的に支援策を講じるべきであります。所見を伺います。
【食の安全対策について】
現在、中国産冷凍餃子の薬物中毒事件に端を発した輸入食品の安全性が大きな関心事になっています。
食品の安全確保については、一義的には事業者がその責務を負うべきでありますが、事業者の自主的な取り組みを支援する仕組みとして都は、平成15年度に、「東京都食品衛生自主管理認証制度」を立ち上げました。
先駆的な制度であり、高く評価できるものであります。しかし、事業者が認証を取得するためにはマニュアル作成や実地審査を受けるのに相当の労力を要することもあり、必ずしも当初期待されたような広がりを見せてはおりません。
認証を受けている施設は、現在、13万施設中、237施設に止まっています。
制度を普及させるためには、都が事業者の認証取得を積極的に支援する必要があります。まず、認証取得支援に向けた都の取り組みについて見解を求めます。
一方、事業者の食品安全に対する取り組みを推進させるためには、自主管理だけでなく行政による監視・指導体制や検査体制も重要であります。違反食品が流通している実態に即して、監視・指導体制や検査体制を強化すべきであります。都の見解を求めます。
輸入食品の安全性については、水際のチェック体制が何よりも重要でありますが、すべての輸入食品をチェックするには、自ずと限界があります。
そのため、消費者にとっては、食品を購入するときに選ぶ基準となる「表示」が重要になってまいります。
しかし、加工品については、すべての製品に原料の原産地が表記されているわけではありません。すべての原料を明記するのは困難かもしれませんが、大量に使用されている原料に関しては,可能な限り原産地を表示すべきであります。
表示の方法についても、QRコードを使用するなど、消費者に分かりやすい表示制度にすべきであります。都の見解を伺います。
【介護保険制度について】
今後、高齢者人口が急激に伸びる中、東京都における要介護認定者は、現状の37万人から7年後には54万6千人と、1.5倍に増えると予測されています。これに伴い、増大する介護サービスの需要に対応し、介護制度の屋台骨を担う介護従事者の確保や事業所の安定経営のための環境整備が急務となります。
しかし現在、介護の現場では賃金をはじめとした待遇の悪さから、人材が定着せず、離職に歯止めがかからない状態が続いております。
その背景には、介護に携わる人々の労働条件が余りにも過酷であり、給与は低賃金、疲れても人手不足で休暇もとれないといった実態があります。また、その多くが非正規職である介護従事者は、技術や経験の積み重ねが収入増につながる保証がなく、扶養家族を抱えて生活を営む一生涯の仕事としては、選択が困難な状況にあります。
こうした実情に対する都の認識と今後の対応について見解を求めます。
都は公明党の提案を受けて、介護現場の実態を把握するための第一歩として、事業所に対し、介護サービスにおける利用者の変動や運営状況などに関してのアンケートを実施したと聞いています。
そこで、将来を見通した施策を展開するために、このアンケート調査の内容をさらに発展させ、より詳細な実態を把握すべきであります。所見を伺います。
次に、介護保険の書類作成の簡素化について質問します。
今国会においても、わが党の太田代表は、介護に関わる煩雑な事務手続きを見直すべきであるとの質問を行ったところであります。
例えば、1つの車イスを貸与するために書類が19枚必要であり、その事務作業に4〜5時間もかかってしまったという事例を聞いています。煩雑な書類の作成業務から介護従事者を解放し、事業所の効率的な経営や労働時間の短縮につながるように、事務手続きや作成書類の簡素化を図るべきであります。所見を伺います。
次に、介護サービス情報の公表における費用負担について質問いたします。介護保険法では、介護サービスの質の確保や利用者保護のために、事業者に対しインターネットなどでのサービス情報の公表が義務付けられています。このため事業者は、訪問介護や訪問入浴介護など、12のメニューに対して、調査・公表の手数料としてそれぞれ約5万円程度を毎年負担しなくてはなりません。介護事業者からは「ギリギリの経営を強いられており、極めて負担が重い」「それぞれのサービスごとに3回も調査があり、無駄ではないか」などの声があがっています。都は手数料の適正な引き下げを図るとともに、調査方法の改善、また、ネットでの情報提供の有効性などについて改めて検証を行うなど、対策を講じるべきであります。所見を伺います。
【がん対策について】
がんの治療にあたっては、これまで日本では手術療法が主流を占め、欧米に比べ、化学療法や放射線療法については、提供体制等が不十分であると言われています。
特に、放射線療法については、手術や抗がん剤との組み合わせで、より高い治療効果が得られることや、がん治療の中で最も副作用が少なく、経済的であるという特長があります。
近年、放射線治療の技術進歩は著しく、がん組織のみに照射する「強度変調放射線治療」の技術や、CT撮影と連動して、あらゆる角度から放射線の照射が可能な医療機器などが開発され、医療機関での導入が始まっています。また最近では、国内メーカーによって世界最先端の放射線医療装置が開発されています。
先日、東大病院放射線科の中川恵一准教授から話を聞く機会がありました。われわれは放射線が直接、がん細胞を攻撃すると思っておりましたが、ピンポイントでがん細胞に放射線を照射すると細胞の表面温度が2千分の1度、上昇し、その変化を体内の免疫細胞が察知して、がん細胞を攻撃するのだそうであります。したがって、副作用も少なく患者への負荷も少ないという事実を知ることができました。
がんと闘う多くの都民のために、都立病院への最新鋭の放射線治療装置の導入を急ぐべきであります。
とりわけ、がん治療の拠点病院として整備される駒込病院にまず、導入すべきです。所見を伺います。
第二に、がん登録について伺います。
推進計画では、がん登録の取り組みは、拠点病院における「院内がん登録」から開始し、その後、拠点病院以外の病院での「院内がん登録」へと拡大させ、最終的に、都内全域での「地域がん登録」につなげる、という3つのステップで推進されます。しかし、推進計画全体は「5年」を対象期間としているものの、がん登録については、それぞれのステップの実現時期を明らかにしておりません。
一方でまた、今回の計画で示された、こうした時系列でのステップとは別に、例えば、地域を特定して、がん登録を先行的にモデル実施することも早期実現のためには効果的と考えます。これらの課題や提案を整理し、がん登録を計画的かつ着実に推進するため、検討組織を立ち上げるべきです。見解を伺います。
第三に、緩和ケアについて伺います。
がん対策の推進の中で、わが党が強く訴えているのが緩和ケアの推進であります。患者・家族の苦痛を軽減し、療養生活の質の向上を図るためには、治療の初期段階からの緩和ケアの提供が求められています。この治療の初期段階からの緩和ケアを推進していくためには、拠点病院の整備指針にも定められている医師・看護師・医療心理に携わる専門家などで構成する緩和ケアチームの設置と、緩和ケアに精通した医療従事者の人材育成が重要であります。
今後、都においては、早期からの緩和ケアの推進に積極的に取り組むべきと考えます。所見を何います。
【特別支援教育について】
東京都特別支援教育推進計画の第二次実施計画の着実な実施について期待をしているところでありますが、保護者の方々や現場の教員の声を聞きますと、検討すべき課題が少なくありません。
まず第一は、都立の高等学校における特別支援教育体制の整備であります。発達障害のある生徒は、思春期になると、不登校、学習意欲の低下、対人関係の支障など、二次的な障害がでて、問題が深刻化している場合もがあります。
第二次実施計画では、平成20年度から平成25年度にかけて、全ての都立高等学校において特別支援教育コーディネーターを指名するなどの体制整備を進めていくとされていますが、問題の深刻さを考えると5年もの時間をかける必要はありません。早急に全ての都立高等学校でコーディネーターの指名、配置を行うべきであります。見解を伺います。
第二に、区市町村立の小中学校での特別支援教育体制の充実についてです。
小中学校における特別支援教育体制の整備については、もちろん区市町村の責任でありますが、都として区市町村に格差がないように支援していくことが必要です。小中学校における特別支援教育の充実を図る支援策を都は講じるべきであります。見解を伺います。
第三は、幼児期における対応の強化であります。都教委は先月、幼稚園の教員や保育所の保育士を対象に特別支援教育のための「教育支援計画講習会」を開催いたしました。しかし、全体の約9割を占める私立幼稚園・私立保育所からの参加はわずかであり、講習の内容も初歩的であったと聞いています。そこで改めて、幼児期の対策を強化するために、私立幼稚園・保育所の教員・保育士を対象にした本格的な研修の機会を設けるべきであります。見解を伺います。
【教員の大量退職問題について】
今後10年間で、毎年2千人以上の教員が退職を迎えると言われています。校長や副校長の人材も不足し、校長を再任用し必要数を確保する事態となっております。
小中学校に限ってみても、平成20年度は小学校で約1500人、中学校で約600人、合わせて約2100人もの大量採用が予定されています。一方で、教育庁の教育人口推計によれば、今後5年間では小学校の児童数は約5000人、中学校の生徒数は約1万人増えるとされております。
つまり、ベテラン教員の大量退職と新人教員の大量採用と同時に、児童・生徒数の増加いう「二重三重の要因」により教育の質の低下が危惧されております。
そのような中、国は平成20年度から「子どもと向き合う時間の拡充を図る」ことを目的に、退職教員や経験豊かな社会人などの外部人材を、全国で7000人規模で配置することを想定した新たな補助制度の創設を計画しています。
都教委としても、退職するベテラン教員等の人材を積極的に活用し、新採教員などの育成や教員の負担軽減、あるいは教員だけでは対応できない課題の解決のため、この新たな補助制度を活用すべきであります。見解を伺います。
【都営住宅の使用承継について】
都は昨年8月、都営住宅の入居者が死亡した場合などに使用を承継できる同居者の範囲を、原則「配偶者」に限定する制度変更を行いました。
これについて公明党は、2月5日、石原知事に対して、都の厳格過ぎる制度運用を改め、高齢者や障害者などに一層配慮した現実的な制度にする必要がある旨、申し入れました。
具体的には、第一に、承継しようとする人が60歳以上であり、世帯の収入が入居基準内であれば、同居者の年齢を問わない。第二に、承継しようとする人又は同居者が、身体障害者手帳三級、精神障害者保健福祉手帳二級、三級、愛の手帳三度、四度の方まで、それぞれ、使用承継の対象を拡大することであります。さらに、病弱者については、都立病院や公社病院の医師の診断書を踏まえ居住継続の必要性があると判断した場合は、承継を認めること。以上の三点であります。
これに対し都は、「高齢者、障害等、特別な事情がある方々の承継範囲に配慮すべきとの申し入れの趣旨は重く受け止める。実現する方向で直ちに所管局に検討させる」と述べ、早速見直しを行いました。
4月1日からの施行でありますが、既に事由が発生している居住者にも経過措置を行うという内容であります。この迅速な対応を大いに評価するものであります。
そこで、今回の措置の内容について改めて説明を求めます。また今後、居住者が戸惑わないよう、変更後の内容や経過措置による対応については、十分な周知徹底をおこなうべきであります。所見を伺います。
少子化対策にせよ、介護にせよ、全ての保健福祉サービスは住宅を抜きに語れません。
東京都の住宅政策は今後、ますます重要度を増して行きます。
したがって都は、都民の住宅セーフティーネットを守るために、都営を含めた住宅政策の事業体制を強化すべきです。住宅政策の拡充、組織の強化について所見を伺います。
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